眼瞼痙攣とは
目の周りにある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が自分の意志とは関係なく痙攣(けいれん)を起こし、まぶたの開閉が制御できなくなる状態です。この痙攣は、脳内の神経回路に異常が生じることで起こり、まぶたの開閉などの制御がうまくいかなくなります。
進行すると、日常生活や仕事、運転などに支障をきたすことがあります。
眼瞼痙攣の主な症状
初期症状としては、以下のものが見られます。
- まぶたの周りがピクピクする
- まばたきの頻度が増える
- 光がまぶしく感じる
進行すると、以下の症状が起こります。
- まばたきが困難になる
- 目を開けているのがつらい
- 目が自然に閉じてしまう
眼瞼痙攣は、放っておいて自然に治る病気ではありませんので、このような症状があれば眼科を受診してください。
眼瞼痙攣の診察について
眼瞼痙攣は、問診と診察を中心に診断し、以下のことを確認しながら改善を目指します。
- 症状の経過や頻度の確認
- まぶたや眼球の状態を観察
- 他の疾患(ドライアイ、眼精疲労、顔面神経疾患など)との鑑別
※必要に応じて、自然なまばたきができているかを調べる「瞬目テスト」などを行い診断します。
自覚症状はドライアイと似ていますので特に注意が必要です。
ドライアイの治療で効果がなければ、眼瞼痙攣を疑いましょう。
眼瞼痙攣の治療について
症状の程度や生活への影響に応じて以下の治療を行います。
ボツリヌス療法(ボトックス治療)
現在、眼瞼痙攣の最も一般的で効果的な治療法です。
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌストキシン(天然のタンパク質)を有効成分とする薬を、まぶたや目の周囲の筋肉に少量注射をすることで、痙攣などの原因となっている神経の働きを抑え、筋肉の緊張をやわらげ、症状を改善します。
この治療法は、1997年以降、眼瞼痙攣の他にも、片側顔面けいれん、脳卒中後の手足の筋肉のつっぱり、ワキの汗などの治療に広く用いられています。
ボツリヌス療法の効果について
ボツリヌス療法によって、70%以上の眼瞼痙攣の症状の改善が得られるとされています。
注射後2~14日(程度)で効果が現れ、通常3~4ヶ月間効果が持続することが多いです。
治療の効果には個人差があり、1回の注射で症状が改善する場合もあれば、定期的な治療が必要になる場合もあります。
その他
眼瞼痙攣はまだ原因が解明されていないため特効薬はありませんが、漢方などの薬物療法、まぶたを支える「クラッチ眼鏡」などと組み合わせて治療を行うこともあります。
また、一部の眼瞼痙攣の発症には別の病気の治療で使われている薬物が関与していることがあります。薬物投与の中止によって痙攣が改善することもありますが、もともとの病気が悪化してしまう恐れがあります。
必ず主治医とよく相談し、自己判断で治療を中断することは絶対にしないようにしましょう。
眼瞼痙攣とよく間違われる疾患
眼瞼ミオキミア
まぶたがピクピクと痙攣している状態を眼瞼ミオキニアといいます。まぶたにある眼輪筋という筋肉が自分の意志とは関係なく攣縮している状態です。健康な状態にある人でも、眼精疲労、睡眠不足、肉体的精神的疲労、ストレスなどによって起きると考えられています。通常は良性で、開瞼を妨げることはなく、数日から数週間で自然に治まります。
